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1969☆横浜半実録バンドマン物語☆
by arthurs4 カテゴリ
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1973年12月21日 一人は 日本からの送金待ちで残るって じゃ きょうから俺入れて4人だ 合言葉は「ボンベイ行けばバクシーシは居ない」 まずはアグラ行って タジマールでも見ようぜ ニューデリー駅 もんのすげえ人 いくらなんでも こりゃ普通じゃねえ 構内 ホーム 線路にまで人が座って これじゃ 民族大移動じゃねえか 正月の帰郷にしたって 異常だ 兵隊つかまえて聞く どしたの? 「1週間前からストで きょうから動くが いつ出るかわからない」 あっそう じゃやばいね どうすっかな バスで行くか 9.1ルピーだって おお そうしよう これじゃ無理だ 列車で窒息死じゃ 笑えねえよ うっひ 黄色やオレンジの豆電球 目一杯つけて 屋根には荷物 バナナ 猿 鶏 犬 積めるだけ積んで 乗れるだけ乗って 派手派手バス 9時過ぎニューデリーを出発した まだら舗装の ガタガタ道を走る走る お 森と泉だ いい雰囲気になってきた しかし 土地広いな 有り余ってる 便所休憩1回で午後2時 街に入った バザール横のだだっ広い広場で終点 うーん これがアグラか 田舎だね なかなかだ 空気がいい 車がほとんどいない デリーより暖ったかいし ほっとするな とりあえず腹減った 飯食おう 表にテーブル出しただけの 多分飯屋 どこでどうやって何作ってるか 判らねえ 座ったら10分で 奥から兄ちゃんが運んできた ブリキの皿の上に パリパリナンとカレー 丸っこい揚げた肉団子 うまそう スプーンくれ! 俺等は一応スプーンで食う 得意顔で手で食ってるアメ公ヒッピーもいるが いくらインド慣れても 俺等は日本人の節操がある 手で飯は食わねえよ っふっふ チャイ飲んで腹一杯 そんで 1ルピー?! やっすい 安いな デリーの半分じゃん 物価が安いと 身も心も軽い っひっひ 車が少ないぶん リキシャは溢れてる 飯食ってる間 ずーっと見てるリキシャおやじ 歩いたらついてくる 曲がってもついてくる ツーリストインフォ行っても ついてくる いい根性だ でもわりーな 俺等歩くよ インフォの日本贔屓のオヤジの世話で 1人5ルピーの ゲストハウスを紹介された どうせまた 宿とつるんでんだろ 高えよ でも ま 見るだけ見るか 行ってみよ おお でかいじゃん 昔の貴族の屋敷ってとこか 庭でキャッチボールできる 水道はあるし バスタブもある ベッドには上掛けも枕もある 部屋は広い4人部屋 窓もあるし鍵もかかる こりゃ最高 アフガン以来 一番の宿じゃんか もう ここにしようぜ 決まり うーん ゆっくりできそうだ 高いだけある 風呂入って洗濯して 晩飯腹いっぱい食って ベッドに横になる 静かだ 鳥が鳴いてる なんか 久しぶりに落ち着くね こりゃいい <アグラに来ました ここは・・> ロンドンと日本へ手紙書いて 寝たzzz 12月22日 うー よく寝た 7時か きょうもいい天気だ 「おーいトモダチ! 起きたか!」 きのうの日本大好きおやじが 来やがった おやじ 木の枝を出して 「はーい これ」 なんだ? 占いでもやるか おやじがジェスチャーで説明する ・・お 歯磨きか ふーん これで? やるのか よし まず 木を噛んでバサバサにする おお こりゃニッキだな ガキの頃 ニッキ飴食ったことある でもこりゃ苦い まずい 俺等修行者じゃねえぞ そんで擦る うーっきっき 歯茎が痛え おまけに口ん中がヒューヒューしてきた ったくよ でもおやじの好意だしな 「よしトモダチ 次だ」 世話焼きおやじ 庭にどうぞって ジャーン! 4人分の朝飯が用意してある 木のテーブルに 白いクロスまで掛けて 加藤大輔似のおやじ ニッコニコ ほんとに日本人好きか 金づる探しがうまいか ま 宿とつるんだ客引きなんだけどさ 変な魂胆はなさそうだ 信用していいだろ よっし食おうぜ いっただきまーす おお 目玉焼きじゃん 気い遣ったなおやじ 美味い うんめえよ おやじ っふっふ おやじ 隣で新聞読みながらご機嫌 お 字が読めるんだ そこそこインテリか 食い終わったら チャイとビリー持ってきた もう至れりつくせり ナズナに大根だ 「さあ トモダチ きょうは車用意したよ 4人で1日10ルピーでいいか? 運転手は俺の兄弟だから心配ない タジマハールでもどこでも行くよ 好きなように使ってくれ っへっへ」 うっひっひ いいね もう殿様気分だ 苦しゅうない よきに計らえ 飯食ったら出発じゃ がーっはっは こうなったら ぜんぶおやじに乗ってやる うーっひっひ をっほっほ そんでタジマハール おおすげえ!!もう すげえの一言 スゲエ! 広大な土地 真っ白なドでかい大理石の建物 ため~いきの出るようなってのは このこと 絵にも描けないってのは このこと 写真も撮ったけど ぜーんぜん無理 王妃のお墓で 20年以上かけて建てたって すんげえなインド王国 この贅沢さと根性 パルテノンもすごかったが 街なかで迫力少ない アルハンブラもすごかったが これよりは小さい ここは周りにな―んにも無い 平原と青い空だけ こんなアホみてえな建物 インドしかできねえ 運ちゃん ガイドもうまいがサービスもいい 次行くぞって 車乗ったらお茶とおしぼりだ さーすが おやじの兄弟 筋金入りだ 次はタジマハールを観るための城でーす アグラ城 朱色の回廊はなかなかのもんだ 観るための城っていったって ドでかい 山一つ分くらいの すげえ城だ 遠くの 真正面に タジマハールが浮かんでる シャージャハンが自分の王妃の墓を いつも見れるようにって作ったってさ へえ 贅沢も我儘もケタはずれだな しかし 生涯乞食共は浮かばれねえ しかしお墓を観るためのお城って 作るかね 古墳観るためのお城って 聞いた事ねえしな ピラミッド観るための城って ねえだろ ま インド人の発想 たまげるね タマゲル モンパリ食ってチャイ飲んで 3時頃宿に戻った じゃ ヒマだし天気いいし 断髪式だ NY以来 1年ぶりにこの大事な髪を切る いかにもヒッピー風ってえのに 飽きてきたし 洗うの面倒だし ノミやシラミがたかるしさ おカマのスーさんはいないから 自分で切る おやじにハサミと鏡借りて ジョリジョリ うーん我ながらよくできた 短髪ヒッピー完成 夕方 おやじが若いの連れて部屋に来た 「プロフェッサーのとこに 連れってってやるよ こいつはシタールやってて その先生を紹介する」 きのう おやじに俺バンドマンだって話したら すぐにこの対応だ っひっひ うれしいね そうか おやじありがと じゃ頼むよ 牛とバクシーシ避けながら 路地を歩く 20分くらい歩いて 石造りの長屋みてえな所 中に入ると ガンガンにシタールが聞こえる 演ってる演ってる シタールとタブラが演ってる ほーおお こりゃすげえ モノホンだ シャンカール並み イキフンばっちし 曲が終わって 若いのが俺を紹介する 先生 えらく丁寧に握手してくれる 「ようこそ アグラへ」 って 先生 英語話すんだ よかった しかしお前 なんて紹介したんだ 俺はよ 俺りゃただの 町場のバンドマンだぞ そしたら先生 シタール弾けって ええ! 俺はタイコだ 弦はやったことねえ って言っても 無理やり座らされた ま いいか 物は経験だ まず座り方 足とって手とって教える 右足がこう 左足はこう・・ヨガだな 次にシタールの構え方 シタールは意外と軽い 角度はこう 右手はここ 左手はここ やっぱり伝統楽器ってえのは これだな 三味線も和太鼓も まずは姿勢と構えだしな そんで右手の人差指に 針金のピックをはめる それで弦はじいて 左手で下にチョーキング チョイ~ン♪ 出た あの音 っひっひ 一応ドレミファはあるけど 半音とかは無い ドとレの間に4つも音があるって へえ ・・でも俺さ タブラ演りてえんだ パラトットン トイトイトーンってやつ 「おお そうか君はドラマーだな じゃあ次はタブラだ よし」 って 先生ご機嫌 だいじょぶかよ 俺 金一銭も払ってねえよ ま いいか やるだけやっちゃうか タブラも同じ まず座り方と構え方 あぐらかいて 2基をかかえる形 先生の指はまるでウチワみてえに 指先がでかい 固い 浪越徳次郎並み トン♪ うーん これだこの音 いい感じ 「じゃ 演りましょう」 シタール先生と俺のセッションが始まった 5分くらい でたらめにやってたら 「次は6拍子だ 1,2,3・・・」 って そりゃやばいよ 俺はマチバの・・ もう弾き始めちゃった ついてくしかねえ 隣でタブラ先生が笑ってる 「次は9拍子半です」 9拍子? 半? そりゃどうやって演んの? シタールは朝と昼と夜の曲がある これは夜の曲だって シタール先生 なんか歌いながら弾き始める 俺は手も足も出ない アホダ~ラーマ~ヘチャルー 見かねたタブラ先生 俺に代わって叩く ぜーんぜん違う リズムもボリュームも音色も そりゃそうだ 俺は1時間 奴は40年のキャリアだ 指の三連四連 リムも胴も使って・・サーカスだな エキサイトエキサイト 見物人が入って来た イエエイ! 思わず拍手拍手 先生ブラボー! ふうう 久々に生の演奏聞いたし演ったし 気持ち良いったらありゃしねえぞ やっぱり血が騒ぐ しかしこのリズムも音階も きのうきょうの話じゃねえ インド五千年 西洋音楽なんかメじゃねえってことだな 2時間もお邪魔した ありがとう先生! ところで 金は払わなくていいの? 「お金はいらない シタールやタブラ買う時は ここに来てください きょうは楽しかった お元気で また会いましょう トモダチ 旅の安全を祈っています」 ほお まるで導師だな 立派なもんだ こちらこそ ありがとうございました こんな 日本のしがないバンドマン相手に ちゃんと真面目に教えてくれて感謝します 外は暗くなってた 興奮冷めやらずってやつ にいちゃん ありがとな いい経験できたよ じゃあ 夕飯おごるよ 遠慮すんな チャイニーズレストランで焼き飯食った ドンバヒッピーの せめてものお礼だ 宿帰ってみんなに自慢してやった 水谷君 行きたかったって っへっへ しかし インド 思った以上だね 全然西洋じゃねえし 東洋でもない インドはインド マカマカ不思議摩訶不思議 ♫クイ~ン トングー♫トングー クイ~ン 人も歴史も音楽も 摩訶不思議だよ~ ♪ マ~カフ~~シ~グイ~っと ♬ ![]() ![]() ![]() ![]() ―――――つづく――――― ※このブログはトラックバック承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
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